農を通して地域コミュニティの 活性化をすすめよう!
街を歩くと畑だったところがいつのまにか住宅になっていること気づきます。宅地化された背景には農地法の規制や相続や後継者の問題など、農地を維持継続することの難しさがあります。一方、近年、庭先やプランターなどで野菜づくりを楽しんだり、市民農園などを利用する市民が増えており、都市で暮らす人たちの「農」への関心は高まっています。 |
<府中市の農地は>
府中市は、都市計画法による市街化区域に位置づいているため、農地は生産緑地指定(30年間継続して農業を営むことが条件)を受けなければ宅地並みの固定資産税がかかってしまいます。現在市内の生産緑地は約105haありますが、2022年には生産緑地指定の更新時期となり、さらに減少することも予想されます。
しかし、都市の農地は、単に食料生産の場としてだけではなく、地下水の保全や生態系の維持、災害時における延焼の防止、四季折々の季節感を伝える、など、多面的な役割を担っています。
<府中市の第3次農業振興計画にある、地域コミュニティの活性化>
今年から始まる府中市の第3次農業振興計画では、「市民とともに」の思いが強く謳われています。
①次世代を担う子どもたちへの農地・農業を活用した事業の推進
②市民農業大学、ふれあい体験講座や農業収穫体験
③援農ボランティア制度をすすめ、ふれあいの場をつくることで農業への理解を広める
など地域コミュニティの活性化につながる計画です。
農地を持たない人が、農地が減っていくのをただ見ているだけではなく、農地を残したいと考えた時、なにができるのかを一緒に考えていくきっかけとなる内容となっています。
<都市に住む市民の農への関わり、「シティ・ファーマー」>
先日世界の都市で繰り広げられている「シティ・ファーマー」の話を聞く機会がありました。欧米では将来的な水不足や食料危機を予測して、自宅の裏庭で野菜を自給したり、スーパーの屋上農園で栽培する野菜を販売したり、他民族との交流のためのコミュニティガーデン、自給した野菜を地域へ配給するなどさまざまな可能性があるとのことです。
<市民農園を共同耕作できるように>
一般質問では農業振興計画の「市民とともに」を市がどのように具体化するのかを聞きました。
いま市民にとっては、援農ボランティアをしたり、体験農園に参加したり、市民農園の1区画を借りて作物を作ることで農業体験ができます。しかし、市民農園は、土地保有者の事情により返還せざるをえないこともあります。市所有の市民農園であれば、返還することもなく、将来にわたって活用できます。たとえば、個人のみではなくNPOやサークルなどによる共同耕作をすることでコミュニティづくりにつながるのではないかと提案しましたが、市民のニーズが高まれば検討するとの答えでした。
府中市でもこれまでの「農」の概念にとらわれず、市民とともにつくる新たな「農」への取り組み始めることを求めました。