2012年 9月議会を終えて

西府駅付近の公園に設置できる便槽付きスツール

~災害時のトイレ対策について~     

阪神淡路大震災や東日本大震災の時に、多くの人が集まる避難所では、充分な数のトイレがないため、トイレに行くのを控えようと水分制限をして、脱水症状やエコノミー症候群になったという事例が報告されています。災害時のトイレ対策には、プライバシーの確保、快適性、安全性など、特に女性や要援護者への配慮が必要です。

 災害が起こり、上下水道が使えなくなると、避難所となる学校では、建物内のトイレは使用できなくなるので、仮設のトイレを使用することになります。現在府中市では「便袋式」、「マンホール型」の組み立てトイレが合わせて269基備蓄してあります。トイレ1基で、1日に賄える避難者数を75人程度として、想定避難者数をもとに、必要備蓄数を考えるそうですが、必要数を満たしているとはいえない状況です。トイレの設置を誰がやるのか、洗浄水の確保や、使用方法、衛生面の注意、「災害弱者」への配慮など、さまざまなことを想定してのマニュアルが必要です。

 また、自宅にいてもトイレが使用不能になれば、簡易トイレ等を使用することになります。汚物を貯めた袋のその処理方法など、市は日頃から周知しておく必要があります。

市内の公園のトイレも、上下水道が使えなければ、使用できません。蒲田駅近くにある公衆トイレには、災害時には床石をはずし、仮設便器をおいて使用できる、便槽貯留式のくみ取りトイレが備えられています。このように既存の設備を活かす工夫も必要です。

市では、トイレの備蓄までは考えていますが、災害時のトイレの課題は、防災課が進める備蓄だけでなく、調達から、くみ取り、処理・処分、撤去、防疫、衛生まで、多岐の担当部署にわたります。今回一般質問では、ごみ減量推進課などとの役割分担もまだ不明確でした。今後はトイレの設置からその後の処理まで一貫した責任や実行主体を明らかにして、災害時の市民の健康管理、衛生管理を図るよう、トイレ対策の充実を求めました。

矢崎防災公園の案内図

武蔵野の森公園 マンホールトイレ設置の穴