これからの保育子どもの育ちのために市は役割をはたそう

2012年8月、市は市立保育所を民間に移管する方針を示し、そのための「民間活力導入におけるガイドライン(案)」を作成しました。市立保育所の役割や地域子育て支援のあり方全体を検討するために、保育検討協議会も設置されました。今後大きく変わる保育行政のあり方について一般質問しました。

 民営化の目的について市は、「体制の再構築、施設管理の効率化等」としましたが、公立の担ってきた保育の役割については、15か所の市立保育所がもつ組織力や保育実践力を活用して、社会的責任と子育て支援の一翼を担い、市内保育施設全体の牽引役として指導等を行なってきたといいます。また、子育て親子の交流や相談など、地域における子育て支援事業も実施してきました。障がい児保育も重要な事業です。このような大切な役割を今後いくつかの市立保育所が民営化することによって、どのように継続していくのかが大きな課題となります。

ますます求められる公立の役割
 子育てをしながら仕事をするには、保育施設の充実は欠かせません。女性は出産・育児を契機に退職する人もいますが、景気の低迷の影響から、雇用や賃金も不安定で、仕事を継続する人が増えています。当然保育施設の必要性は高まり、これは常に待機児が解消されないことにもあらわれています。
 また、子育ての孤立感や負担感が、虐待の一因となるという指摘もあり、一人で抱え込まないような地域での子育て支援も大変重要になってきています。

 このような社会状況を受けて、国は2012年9月に、未就学児の保育、教育のあり方を示した「子ども・子育て関連3法」を制定しました。各自治体では地域のニーズに基づいた計画を作ることになります。府中市では2013年度から、調査研究・ニーズ調査を行なう予定としています。
 この関連3法の制定により、保育形態が多様に拡がり、小規模保育の認可も市が対応することになり、公が担う役割は大きくなります。
 民営化の方向性は、保育検討協議会の議論を経て、今年3月に、「ガイドライン」が正式に示される予定です。今回の質問では、公立保育所をいくつ残し、どのような役割を維持していくのか、明確な回答は得られませんでしたが、市民の不安を少しでも減らすため、市は今後の方針を明らかにする必要があります。
 保育は毎日毎日が子どもたちの成長を保護者の代わりに見守るという重要な役割であり、主役が子どもたちであることを忘れてはいけません。子どもにとって一番良い方法を考えて、保育事業の質と量を、後退させることなく事業を進めていくことを求めました。